保育士の自己PRの書き方|強み別・状況別の例文37本と長所が見つからないときの探し方

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保育士の自己PRの書き方|強み別・状況別の例文37本と長所が見つからないときの探し方

「強みを書いてくださいと言われても、思いつかない」「書いてはみたけれど、どの園にも出せる文章になっている」と手が止まっていませんか。

保育士の自己PRは、強みを1つに絞り、それが表れた場面と結果を挙げて、応募先でどう活かすかで締めます。書く材料は、性格や行動の特徴・仕事への姿勢や意欲・将来の目標の3つです。

書き方の4ステップ、強み・状況・年代・応募先別の例文37本、長所が見つからないときの探し方、履歴書と職務経歴書と面接での書き分けまで解説します。志望動機の書き方は保育士の志望動機の書き方にまとめています。

この記事を読んで分かること
  • Q保育士の自己PRは何を書けばいいですか?
    A自己PRに書く材料は、性格や行動の特徴(協調性・責任感・粘り強さなど)、仕事への姿勢や意欲、将来の目標の3つです。この中から強みを1つに絞り、その強みが表れた保育の場面と結果を挙げて、応募先でどう活かすかで締めます。強みを3つも4つも並べると、どれも根拠が薄くなります。
  • Q保育士の自己PRは何文字くらい書けばいいですか?
    A職務経歴書に独立した項目として書くなら300〜400字、履歴書は志望の動機と同じ欄に同居するため150〜200字程度、面接は30秒〜1分で話せる長さが目安です。厚生労働省のA4版の履歴書様式例では、志望の動機とアピールポイントの欄は幅約17cm・高さ約6cmの罫線のない箱で、自己PRだけで400字を使うことはできません。
  • Q保育士の自己PRでダメな例は?
    Aインターネットの例文をそのまま使う、強みを3つも4つも並べる、前の園の批判や待遇の話になっている、園児や保護者が特定できる書き方をする、の4つです。とくに園児名や個人が特定できる家庭の事情は、保育士の秘密保持義務にふれるため書きません。
  • Q自己PRと自己紹介は同じものですか?
    A応募書類の「自己紹介」という欄名は、自己PRの別名として使われます。厚生労働省の職務経歴書の手引きでも、自己PRの別名として「自己紹介」「セールスポイント」「私の強み」などが挙げられています。一方、面接の冒頭で求められる自己紹介は、氏名と経歴を30秒ほどで要約するもので別物です。
  • Q職務経歴書に自己PRは書いたほうがいいですか?
    A必須の項目ではありませんが、書ける材料があるなら書きます。職務経歴書で必須なのは標題・氏名・日付・職務経歴の4つで、自己PRは任意項目です。ただし職務経歴の欄は担当業務を並べる場所なので、強みを言葉にできるのは自己PRの欄だけです。履歴書と同じ文章を写さず、場面を足して書き分けます。

保育士の自己PRとは?志望動機・自己紹介との違い

自己PRは「自分の強みは何か」を伝える項目で、書く材料は性格や行動の特徴・仕事への姿勢や意欲・将来の目標の3つです。自分を応募先に売り込むために、長所や強みとしてアピールできることを書く欄だと考えてください。

自己PRに書く材料は3つ

自己PRの材料になるのは、次の3つです。

  • 性格・行動の特徴(積極性、粘り強さ、協調性、責任感など)
  • 仕事への姿勢・意欲(どのようにがんばり、どのように貢献したいか)
  • 将来の目標・これから伸ばせること

3つとも抽象的に見えますが、保育士の仕事に置き換えると具体的な材料が出てきます。性格・行動の特徴なら、複数担任のクラスでどう動いていたか、行事の準備で誰と何を分担したか。仕事への姿勢・意欲なら、指導計画や個別記録をどう書いてきたか、保護者にどう伝えてきたか。将来の目標なら、担当したい年齢や取りたい研修があります。

「保育士としてがんばってきた」ではなく、「どの年齢のクラスで、何人を担当して、何を続けてきたか」まで下ろすと、はじめて自己PRの材料になります。頭の中で考えていても出てこないので、まずは思い出せることを書き出してください。

自己PRと志望動機はどう違う?

志望動機は「なぜこの園なのか」、自己PRは「自分の強みは何か」を書きます。

見分け方は簡単で、志望動機には応募先の園名が入りますが、自己PRは応募する園が変わっても大きくは変わりません。自己PRの文章から園名を消しても意味が通るなら、書き分けはできています。逆に、志望動機のほうから園名を消して意味が通ってしまうなら、そちらは書き直しが必要です。

同じ内容を志望動機と自己PRの両方に書くと、園を調べていないという印象につながります。志望動機の書き方と、勤務先・年代別の例文は別の記事にまとめています。

「自己紹介」と書かれた欄には何を書く?

応募書類の様式によっては、自己PRの欄が「自己紹介」「セールスポイント」「私の強み」「仕事への意欲」といった名前になっていることがあります。

応募書類の「自己紹介」欄は、自己PRの別名です。厚生労働省の職務経歴書の手引きでも、自己PRの別名として「アピールポイント」「セールスポイント」「自己紹介」「貴社で発揮できる強み」「私の強み」「仕事への姿勢」「仕事への意欲」「今後の目標」が並べて挙げられています。欄の名前が違うだけで、書くことは同じです。

紛らわしいのが、面接の冒頭で求められる自己紹介です。こちらは氏名と経歴を30秒ほどで要約するもので、強みをアピールする場面ではありません。書類の「自己紹介」欄は強みを書く、面接の冒頭の自己紹介は経歴を要約する、と場面で分けて覚えてください

保育士の自己PRの書き方【4ステップ】

自己PRは、①強みを1つに絞る ②その強みが表れた場面を選ぶ ③結果を数えられる形で書く ④応募先でどう活かすかで締める、の順に組み立てます。この順番でしか組み立てないと決めてしまうと、書き出しで迷わなくなります。

ステップ1|アピールする強みを1つに絞る

最初にやるのは、書く強みを1つに決めることです。

自己PRに使える長さは、長い職務経歴書でも300〜400字しかありません。そこに強みを3つも4つも入れると、1つあたり100字を切り、どれも「そう書いてあるだけ」の文章になります。強みは1つ、多くても2つに絞ってください

絞るときの基準は、自分がいちばん自信のある強みではなく、応募先が使いたがっている強みです。0〜2歳児だけの小規模保育園に「行事の企画運営が得意」と書いても、行事の規模が違うので響きません。求人票と園のホームページを先に読んで、どの強みを前に出すかを決めます。

ステップ2|強みが表れた場面を1つ選ぶ

次に、その強みが実際に表れた場面を1つ選びます。

選ぶ場面は、いつ・どのクラスで・何をしたかが言えるものにしてください。「3歳児クラスの主担任だった年に、朝の受け入れの流れを組み直した」「運動会の進行表を作って、準備の分担を職員で分けた」のように、日付と場所が思い出せる出来事が向いています。

場面を書くときに、園児の名前や、家庭の事情が分かる書き方をしてはいけません。保育士には仕事で知った秘密を守る義務があり、退職後も続きます。何を書いてよくて何がだめなのかは、記事の後半でくわしく整理します。

ステップ3|結果は数えられる形で書く

場面を書いたら、それがどうなったかを書きます。

保育の仕事は売上のような数字が出ませんが、数えられるものはあります。

  • 担当したクラスの年齢と園児数
  • クラスの職員数、担任か副担任か
  • 続けた年数、担任した年度の数
  • 行事の規模(参加した家庭の数、当日の職員数)
  • 作った書類の種類(月案、週案、個別記録、おたより)
  • 引き継がれたかどうか(翌年度も同じ手順が使われた)

数字を入れると、同じことを書いても密度が変わります。「クラス運営を工夫しました」ではなく「3歳児25名のクラスで、朝の受け入れの手順を組み直しました」と書けば、規模と中身が一度に伝わります。数字が出せない場合は、無理に作らず「何がどう変わったか」を事実のまま書いてください

ステップ4|応募先でどう活かすかで締める

最後は、その強みを応募先でどう使うかで締めます。

ここで大事なのは、応募先の保育の中身に触れることです。「貴園でも同じように取り組みたいと考えております」で終わると、どの園にも出せる文章になります。「園見学で伺った異年齢での活動の時間に」「0〜2歳児が中心の保育のなかで」のように、応募先で実際に起きることを1つ入れると、自己PRなのに園を調べていることが伝わります

締めの一文は「貴園でも〜したいと考えております」の形が扱いやすく、応募先が園でない場合は呼び方が変わります。呼び方の使い分けは記事の後半にまとめました。

エピソードが出てこないときは、短いまま出す

4ステップの型を知ると、今度は型を埋めたくなります。ここが最大の落とし穴です。

思い出せない場面を作って書くと、面接でほぼ確実に崩れます。志望の動機とアピールポイントは、面接で採用担当者から最もよく質問される項目だからです(出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「応募書類の作り方」)。書類に書いた場面は、当日その場で掘り下げられると思ってください。

具体的には、次の3つをやらないと決めておきます。

  • 覚えていない出来事を、それらしく書く
  • 結果を確かめていないのに「〜につながりました」で締める
  • 言われていないのに「保護者から感謝の言葉をいただきました」と書く

結果が書けないなら、結果の文をとばして活かし方に進んで構いません。担当した事実だけを述べて締めた200字の自己PRは、作り話で埋めた400字よりも面接で強くなります。文字数が足りないと感じても、材料を増やすために場面を作らないでください。

型は分かっても、自分の経歴のどれを②に置くかで手が止まることはあります。当サイトの職務経歴書作成ツール「Resumate for 保育士」は、担当した年齢や担任の種別、実際にあった出来事の材料を選んでいくと、入力した事実の範囲だけで自己PRの下書きを組み立てます。入力にない場面を足さないようにしてあるので、出てきた下書きを直しながら自分の言葉にしていく使い方ができます。

【強み別】保育士の自己PRの例文15本

同じ強みでも、それが保育のどの場面に表れたかを書かなければ自己PRになりません。「共感力があります」だけなら誰でも書けますが、共感力が朝の受け入れのどの場面で役に立ったのかは、その人にしか書けません。

ここからの15本は、どれも園名を「〇〇保育園」にしてあります。そのまま写すのではなく、場面と数字を自分のものに入れ替えて使ってください。

共感力

共感力は、子どもの気持ちを読み取って、それを言葉にして返せる力のことです。泣いている子への対応、登園をしぶる子の受け入れ、子ども同士のいざこざの仲裁といった場面に表れます。

共感力を書くときにいちばん多い失敗は、「子どもの気持ちに寄り添ってきました」で終わることです。どんな様子の子に、どんな言葉をかけ、その子がどうなったのかまで書きます。

記載例例文①|共感力

子どもが言葉にできていない気持ちを読み取り、代わりに言葉にして返すことを続けてきました。2歳児クラス18名の担任として、遊具の取り合いが続いた時期に、取り合いをやめさせる前にどちらの子にも「使いたかったんだね」と気持ちを先に返すことを職員間で決めて、半年間続けました。すぐに解決するわけではありませんが、自分の気持ちを言葉で伝えようとする姿が増え、保育者を呼びに来てから相手に伝える子が出てきました。この関わり方は翌年度も同じクラスの進め方として引き継がれています。貴園でも、子どもが自分の気持ちを言葉にできるまで待てる関わりを続けていきたいと考えております。

差し替えるのは、クラスの年齢と人数、続けた期間、実際に起きていた場面の3つです。「気持ちを先に返す」の部分は、自分が実際に決めていたルールや声のかけ方に置き換えてください

協調性・チームワーク

協調性は、複数担任のクラスや行事の準備で、まわりに合わせるのではなく自分から動いて全体を回した経験として書きます。

協調性を「誰とでも合わせられます」と書くと、受け身の人という印象になります。意見が割れたときに何をしたか、自分から何を提案したかを入れると、主体的に動ける人として読まれます。

記載例例文②|協調性・チームワーク

複数の担任で保育を進めるときに、決め事を口頭で終わらせず形に残すことを大切にしてきました。4歳児クラス28名を3名の担任で受け持った年度に、遅番と早番で子どもの様子の伝わり方に差が出ていたため、引き継ぎの内容を連絡帳と口頭の両方でそろえる手順を提案しました。ベテランの職員と経験の浅い職員で意見が分かれた際は、双方の言い分を聞いたうえで、記入する項目を3つに絞る折衷案をまとめました。手順を決めてからは、遅番の職員が保護者に伝えられる情報が増えました。貴園でも、担任同士が同じ情報を持って一日を進められるよう働きかけていきたいと考えております。

自分の場合は、複数担任だったか、フリーだったか、行事の担当だったかで場面が変わります。意見が分かれたときに自分が何をしたのかが、協調性の自己PRでいちばん読まれる部分です

コミュニケーション力・保護者対応

コミュニケーション力は範囲が広いので、保育士の場合は保護者対応に絞ると具体的になります。送り迎えの短い時間で何を伝えてきたか、伝えにくいことをどう伝えたかが材料です。

記載例例文③|コミュニケーション力・保護者対応

送り迎えの短い時間で、その日の様子を必ず一つ具体的に伝えることを続けてきました。1歳児クラス12名の担任として、連絡帳に書ききれない場面を口頭で足すようにし、けがや体調の変化があった日は、家庭で見てほしいことを合わせて伝えました。伝えにくい内容のときは、その場で結論だけを話さず、園での様子と家庭での様子を照らし合わせながら話すようにしています。担任を持った2年間、送迎時の会話をきっかけに家庭での様子を教えていただく機会が増え、体調の変化に早く気づけるようになりました。貴園でも、保護者が話しかけやすい受け入れの時間をつくっていきたいと考えております。

保護者対応を書くときは、クレーム対応の武勇伝にしないでください。うまくいかなかった場面を持ち出すと、どうしても保護者を悪く書く形になります。日常のやりとりで続けてきたことのほうが、採用する側には読みやすくなります。

観察力・気配り

観察力は、子どもの小さな変化に気づいた経験として書きます。体調、機嫌、遊びの内容、友だちとの距離のとり方など、気づける対象は多くあります。

記載例例文④|観察力・気配り

一日の中で、いつもと違う様子に早く気づくことを心がけてきました。3歳児クラス24名の副担任として、朝の受け入れで顔色と歩き方を見て、気になった子は午前中に一度検温するようにしていました。食事の量が減った日や、好きな遊びに入らない日は、その日のうちに担任と共有して記録に残しています。担当した年度に、発熱の前に様子の変化を記録できていたことで、保護者へ早めに連絡できた場面が複数ありました。貴園でも、記録に残す前の小さな気づきを職員間で共有し、体調の変化に早く対応できる体制づくりに関わりたいと考えております。

観察力は「よく見ています」だけでは伝わりません。何を見ているのか(顔色・食事量・遊びの選び方)と、気づいたあとに何をしたのかをセットで書いてください

責任感・継続力

責任感は宣言するものではなく、続けた事実で示すものです。担任を何年続けたか、任された役割を何年務めたかが、そのまま材料になります。

記載例例文⑤|責任感・継続力

任された役割を年度の途中で手放さないことを大切にしてきました。〇〇保育園に7年間勤務し、うち5年間は0歳児から2歳児の主担任を務め、3年間は年間行事の担当を兼任しました。行事の担当では、準備の工程を逆算した表を作り、前年の記録をもとに毎年見直してから次の担当に渡しています。産休に入る職員が出た年度も、担当していた書類の作成手順を書き出して引き継ぎ、行事の日程を変えずに実施できました。貴園でも、任された役割を最後まで務めたうえで、次の担当に渡せる形にして残していきたいと考えております。

責任感の自己PRは、勤続年数と担当した役割の年数を書くだけで説得力が変わります。年数が短い場合は、1つの年度の中で最後までやり切ったことを書いてください。

体力・健康

体力は、勤怠の実績として書くと事実になります。ただし体力だけを書くと若い人に置き換えられる強みなので、体力が何に使われたかまで書きます。

記載例例文⑥|体力・健康

体調を崩さずに現場に立ち続けることを、保育士としての基本だと考えて働いてきました。〇〇保育園で6年間勤務し、体調不良による欠勤は年に1日あるかどうかで、早番と遅番を含むシフトにも入ってきました。屋外での活動を担当することが多く、5歳児クラスでは散歩の行き先を年間で10か所以上に広げ、道順と危険箇所を記録して職員間で共有しました。行事の設営や片づけでも、力仕事の分担を引き受けています。貴園でも、屋外での活動や行事の準備で動く役割を担いながら、安定して勤務を続けていきたいと考えております。

体力を書くときは、欠勤の少なさとシフトの幅を具体的に書いたうえで、その体力を何に使ってきたかまで進めてください。丈夫であることだけでは、保育の中身が見えません。

明るさ・笑顔

明るさは、全社の例文で最も多く使われる強みです。だからこそ、そのまま書くと埋もれます。誰に対する明るさなのかを絞ってください。

記載例例文⑦|明るさ・笑顔

登園してきた子どもが最初に会う職員として、表情と声の大きさをそろえることを続けてきました。〇〇保育園で早番を担当していた4年間、受け入れの時間は必ず名前を呼んでから迎え入れ、前日に気になることがあった子には一言添えるようにしています。年度はじめに登園をしぶる子が出た時期も、無理に切り替えさせず、好きな遊びに入るまで一緒にいる時間をつくりました。保護者からも、朝の受け入れの様子で預けやすいと言っていただくことがありました。貴園でも、一日の始まりを落ち着いて迎えられる受け入れの時間をつくっていきたいと考えております。

「明るい性格です」と自己申告するのではなく、明るさが役に立つ場面を1つに絞ると、同じ強みでも読み手に残ります。早番の受け入れ、行事の司会、実習生の受け入れなど、自分が任されていた場面を選んでください。

穏やかさ

穏やかさは、慌ただしい場面でも声を荒らげないこと、急な出来事でも段取りを崩さないことです。乳児クラスや、配慮が必要な子への対応と相性がよい強みです。

記載例例文⑧|穏やかさ

どのような場面でも声の調子を変えないことを、保育の中で意識してきました。1歳児クラス15名を3名の担任で受け持った年度は、複数の子が同時に泣く時間帯があり、対応の順番をあらかじめ決めたうえで、順番を待つ子には近くで声をかけるようにしました。急ぐ場面で大きな声を出すと、子どもがさらに落ち着かなくなるため、職員間でも声の大きさをそろえることを共有しています。担任した2年間、午睡前の切り替えにかかる時間が短くなりました。貴園でも、子どもが落ち着いて過ごせる時間の流れを、職員間でそろえながらつくっていきたいと考えております。

穏やかさは、大人しさと読み違えられることがあります。自分から段取りを決めた、職員間で共有した、という能動的な行動を必ず入れてください

視野の広さ

視野の広さは、自分の担当だけでなくクラス全体や園全体を見ていた経験です。フリーの経験や、複数のクラスに入っていた経験がある人に向いています。

記載例例文⑨|視野の広さ

自分の受け持ちだけでなく、クラス全体の動きを見て動くことを心がけてきました。〇〇保育園でフリーの保育士として3年間、0歳児から5歳児まですべての年齢のクラスに入り、担任が手薄になる時間帯の補助を担当しました。年齢によって必要な援助が違うため、入る前にその日の活動と配慮が必要な子の情報を確認してから入るようにしています。行事の当日は、担任が持ち場を離れられない時間帯に全体を見る役割を担いました。貴園でも、担任の動きを見ながら手が足りない場所に先回りできる働き方をしていきたいと考えております。

視野の広さは、担当した年齢の幅そのものが証拠になります。フリーや保育補助の経験がある人は、この強みで書くと経歴の見え方が変わります。

柔軟性・臨機応変

柔軟性は、天候や体調で予定が崩れたときに、その場で組み立て直した経験として書きます。保育の現場では日常的に起きることなので、材料は必ずあります。

記載例例文⑩|柔軟性・臨機応変

予定どおりにいかない日に、その場で組み立て直すことを続けてきました。4歳児クラス26名の担任として、雨で戸外の活動ができない日に備え、室内でできる活動を年齢ごとに書き出した一覧を作り、担任間で共有していました。当日の欠席が多い日は活動の内容を入れ替え、少人数でこそできる製作や絵本の時間に切り替えています。行事の直前に感染症で欠席が増えた年度は、参加できる子の人数に合わせて進行を組み直し、日程を変えずに実施しました。貴園でも、予定が変わった日に代わりの選択肢を出せる担任でありたいと考えております。

柔軟性を書くときは、行き当たりばったりに見せないでください。あらかじめ準備していたから対応できた、という順番で書くと、計画性も同時に伝わります。

計画性・段取り

計画性は、指導計画や行事の準備という保育士の日常業務にそのまま結びつく強みです。書類作成が得意な人は、この強みで書くと具体的になります。

記載例例文⑪|計画性・段取り

締め切りのある書類を、直前に集中させない進め方を続けてきました。5歳児クラス30名の主担任として、年間指導計画と月案・週案に加え、園児30名分の個別記録と就学に向けた書類を担当しました。書類ごとに提出日から逆算した一覧表を作り、週の中で書く時間をあらかじめ決めてから保育に入るようにしています。運動会では、当日までの工程を8週間分に分けた進行表を作成し、職員の担当を早い段階で決めました。担当した3年間、提出期限に遅れたことはありません。貴園でも、書類と保育の時間の配分を組み立てながら、期限を守って進めていきたいと考えております。

計画性は、担当していた書類の種類を並べるだけでも伝わります。月案・週案・個別記録・おたよりのうち、自分が実際に書いていたものを書き出してください。

子育て経験

自分の子育て経験は、ブランクの説明としてではなく、独立した強みとして書けます。保護者の側を経験したことは、保育士として現場に戻ったときに使える視点です。

記載例例文⑫|子育て経験

子どもを預ける側を経験したことで、保護者が知りたいことが以前より分かるようになりました。保育士として5年間勤務したのち、出産と育児のため3年間現場を離れ、その間は自分の子どもを保育園に預けながら地域の子育て支援の集まりに参加していました。預ける側になってはじめて、送り迎えの数十秒で何を聞けると安心するのかが分かり、復職後は連絡帳に書く内容を「できたこと」だけでなく「どんな様子だったか」に広げています。現場では0歳児から2歳児の担当を経験し、月案・週案の作成と個別記録の管理を担当してきました。貴園でも、保護者の立場で過ごした期間に得た視点を、日々の伝え方に活かしていきたいと考えております。

子育て経験を書くときは、離れていた期間を謝る文にしないでください。「ブランクがあり申し訳ありません」と書くと、そこから先が言い訳の文章になります。何を得たかだけを書きます。

ピアノ・音楽

ピアノや歌は、保育士の自己PRで最も分かりやすい特技です。ただし「弾けます」だけでは水準が伝わらないので、何をどこまで弾けるかを書きます。

記載例例文⑬|ピアノ・音楽

その場で伴奏を合わせられることを、保育の中で使える技術として身につけてきました。〇〇保育園で5年間勤務し、朝と帰りの会の伴奏を毎日担当したほか、生活発表会では全クラスの歌の伴奏を務めました。子どもの声の高さに合わせて移調して弾けるため、練習で音が高すぎるときはその場で調整しています。初めて歌う曲でも、簡単な伴奏に直して弾けるよう楽譜を書き換えて準備してきました。楽器を使った遊びの時間も担当し、季節の歌を年間で40曲ほど用意しています。貴園でも、日々の歌の時間と行事の伴奏を担当していきたいと考えております。

ピアノを強みにするなら、移調できるか、初見でどこまで弾けるか、何曲用意できるかのいずれかを書いてください。水準が分かる情報がないと、応募先は任せられるかどうか判断できません。

製作・手先の器用さ

製作は、作れることそのものより、子どもが取り組める形に落とせることが評価されます。

記載例例文⑭|製作・手先の器用さ

子どもが自分の手で仕上げられるところまで、製作の工程を分けることを考えてきました。3歳児クラス22名の担任として、季節の製作を月に1回担当し、はさみやのりの扱いに差がある時期は、切る工程をあらかじめ済ませた材料と、自分で切る材料の2種類を用意しました。できあがりをそろえるのではなく、それぞれの手のあとが残るように工程を組んでいます。壁面の飾りつけも担当し、子どもの作品を中心に構成して、保護者が自分の子どもの作品を見つけられる配置にしてきました。貴園でも、子どもが自分でやり切れる製作の時間をつくっていきたいと考えております。

製作の自己PRは、上手に作れることではなく、子どもの手の発達に合わせて工程を分けられることを書くほうが評価されます。作品の写真を出せない書類だからこそ、考え方を書いてください。

絵本・読み聞かせ

絵本は、冊数と選び方を書くと具体的になります。好きだという気持ちだけでは強みになりません。

記載例例文⑮|絵本・読み聞かせ

その日の子どもの様子に合わせて絵本を選ぶことを続けてきました。0歳児から5歳児までのクラスに入った経験から、年齢ごとに反応のよかった絵本を記録し、手元の一覧を100冊ほどに増やしています。午睡前は落ち着いた繰り返しのある絵本、行事の前は内容とつながる絵本、というように場面で選び分け、同じ絵本を続けて読みたがる時期はその希望に合わせています。担任していたクラスでは、読み聞かせのあとに自分で絵本を手に取る子が増えました。貴園でも、季節や行事に合わせた絵本の選定に関わっていきたいと考えております。

絵本を強みにするなら、読める冊数ではなく、どう選んでいるかを書いてください。選び方には保育の考え方が表れるので、そこが読まれます。

自己PRに書く長所が見つからないときの探し方

長所は思い出すものではなく、仕事の中で得たものを書き出してから、言葉に当てはめて拾い上げる作業です。何もない状態で「私の長所は何だろう」と考えても出てきません。順番を変えれば見つかります。

仕事の中から4つの角度で書き出す

自分の能力や長所をうまく整理できないときは、次の4つの角度から書き出します。

  • 仕事の中で得たもの(心がけてきたこと、身につけたこと、できるようになったこと)
  • 努力したこと、頑張ったこと、大変だったけれど乗り越えたこと
  • やりがいや喜びがあったこと、ほめられたこと、達成感があったこと
  • これまでのどの園でも共通して「できたこと」「得意だったこと」

保育士の場合、1つ目は「入職したときは書けなかった個別記録を、行事の記録まで一人で書けるようになった」のような変化です。2つ目は「初めて0歳児の担任になった年に、月案の書き方を先輩に確認しながら一年間続けた」といった経験になります。3つ目は保護者や職員から言われた言葉、4つ目は園が変わっても任されていた役割です。

書き出す段階では、自己PRに使えるかどうかを判断しないでください。使えるかどうかは応募先ごとに変わるので、まず全部出してから選びます。

言葉が出てこないときは、強みを表す言葉から選ぶ

書き出したのに、それを何と呼べばよいのか分からない。ここで止まる人がいちばん多いところです。

厚生労働省の職務経歴書の手引きには、能力・長所・強みを表す言葉が2つの系統で並べられています。先に言葉のリストを見てから、自分の書き出したものがどれに当てはまるかを探すほうが早く見つかります。保育の場面に言い換えたものを右列に足しました。

1つ目は、性格や行動の特徴から探す表です。

系統言葉保育の場面
前向き積極的、チャレンジ精神、向上心、プラス思考研修に自分から申し込む、新しい活動を提案する
明るく社交的社交的、話しやすい朝の受け入れ、保護者との会話、実習生の受け入れ
エネルギッシュ負けず嫌い、体力がある屋外での活動、行事の設営、早番と遅番のシフト
忍耐強い粘り強い、勤勉生活習慣の自立、同じ関わりを毎日続ける
クリエイティブ発想力、好奇心製作、環境の構成、遊びの広げ方
気配り思いやり、協調性、気が利く複数担任の連携、手が足りない場所への先回り
まじめ素直、約束を守る、誠実提出物の期限、報告の徹底
知的探求心、研究熱心保育所保育指針の読み込み、記録の見直し
その他責任感、臨機応変、礼儀正しい担任の継続、予定変更への対応、来客対応

2つ目は、仕事の進め方から探す表です。

系統言葉保育の場面
見つける・作り出す企画力、先見力、観察力行事の企画、体調の変化の察知、危険の予測
理解する・判断する理解力、課題認識力、問題解決力配慮が必要な子への対応、クラスの課題の見立て
人や組織に関わる交渉力、チームワーク、指導力、傾聴力複数担任、後輩の指導、保護者の話を聞く
表現する説得力、伝える力保護者会、おたより、行事の司会
やり切る迅速性、正確性、計画性、報告・連絡・相談書類の期限、記録の正確さ、ヒヤリハットの報告
その他自己管理能力、状況判断力、誠意体調管理、事故が起きたときの対応と説明

この2つの表から選ぶだけで、書き出した経験に名前が付きます。名前が付けば、あとは4ステップに当てはめるだけです。

選んだ言葉は「→」で具体化する

言葉を選んだあと、そのまま「協調性があります」と書いてしまうと元に戻ってしまいます。

解決策は、言葉のあとに矢印で具体化を付けることです。「協調性(→年齢や立場に関係なく、誰とでも一緒に仕事を進められます)」のように、選んだ言葉が自分の場合は何を指すのかを続けます。矢印の後ろに書ける内容がないなら、その言葉は自分の強みではありません

保育士の応募書類なら、次のように直します。

記載例改善前

私の強みは協調性と責任感です。どんな職場でも周囲と協力し、任された仕事を最後までやり遂げます。子どもたちのために全力で取り組んでまいります。

記載例改善後

私の強みは、担任同士で情報をそろえてから一日を始められることです。4歳児クラス28名を3名で担任した年度に、早番と遅番で保護者に伝わる情報に差が出ていたため、引き継ぎに書く項目を3つに絞る手順を提案し、年度末まで続けました。貴園でも、担任間で同じ情報を持って動ける形をつくっていきたいと考えております。

改善前の文章にも協調性と責任感は書いてありますが、矢印の後ろがありません。「何ができるか」ではなく「いつ、どこで、何をしたか」を書けば、言葉は自然に具体化します

短所を裏返して長所にする

それでも見つからないときは、短所から入る方法があります。

心配性なら「確認をおろそかにしない」、慎重すぎるなら「安全の確認を欠かさない」、頑固なら「決めたやり方を続けられる」、気にしすぎるなら「子どもの小さな変化に気づく」。ただし裏返しただけでは自己PRになりません。裏返したあとに、それが表れた場面を1つ足してはじめて使えるようになります。

強みは決まったのに、そこから300〜400字にするところで止まる場合は、Resumateで下書きを作ってから直す方法もあります。選んだ強みと経歴を入れると、応募先での活かし方まで含んだ形で出てくるので、書き出しの一文で悩まずに済みます。

施設の種類・担当年齢・エピソードの材料を選ぶだけ

Resumateで強みを選んで文章にする保育士専用の職務経歴書ツール(無料)

【状況別】転職・ブランク・未経験・新卒の自己PR例文6本

同じ強みを書く場合でも、保育士からの転職・ブランクからの復職・異業種からでは、書き出しと厚くする箇所が変わります。採用する側が心配していることが違うからです。

保育園から保育園への転職

同じ職種への転職では、即戦力として何ができるかが読まれます。担当した年齢の幅、担任の種別、書けた書類を具体的に書いてください。

記載例例文⑯|保育園から保育園への転職

年度のはじめに、クラスの生活の流れを組み立て直すことを担当してきました。〇〇保育園に6年間勤務し、1歳児から5歳児までのクラスを担任し、うち4年間は主担任を務めました。持ち上がりではないクラスを受け持った年度は、前年度の記録を読み込んだうえで、朝の支度と午睡前の切り替えの手順を職員間で先に決めてから4月を迎えるようにしています。年間指導計画と月案・週案、園児30名分の個別記録の作成も担当してきました。貴園でも、年度はじめの生活の流れづくりから関わっていきたいと考えております。

同じ職種への転職では、前の園でできていたことをそのまま書いて構いません。応募先が知りたいのは、4月から何を任せられるかです。

ブランクがあって復職する

ブランクからの復職では、離れていた期間に何をしていたかと、現場に戻るために準備したことを書きます。

記載例例文⑰|ブランクからの復職

現場を離れていた期間も、保育に関わる学びを止めないようにしてきました。保育士として5年間勤務したのち、家族の介護のため4年間現場を離れておりました。この間は自治体の保育士向け再就職支援研修を受講し、保育所保育指針の改定内容と、保育ICTシステムの操作を確認しています。現場では2歳児から4歳児までの担任を経験し、月案・週案の作成と、行事の進行表づくりを担当しておりました。復職にあたり、まずは副担任として現場の流れを確かめながら、これまでの経験を戻していきたいと考えております。貴園でも、乳児から幼児まで担当できる幅を活かして働きたいと考えております。

ブランクの説明を謝罪で終わらせないでください。離れていた理由は一文で足り、残りは戻るために何をしたかに使います。研修を受けていない場合は、指針の確認や求人情報の見比べなど、実際にやったことを書きます。

未経験・異業種から保育士になる

未経験からの応募では、前職で身につけたことが保育でどう使えるかを書きます。保育の言葉を無理に使う必要はありません。

記載例例文⑱|未経験・異業種から保育士へ

相手の様子を見ながら、伝える順番を変えることを仕事の中で身につけてきました。前職では小売店で6年間、接客と新人教育を担当し、相手が何に困っているかを先に聞いてから説明する進め方を続けてきました。新人教育では、手順を一度に伝えず、その日にできることを1つずつ渡す形に組み直しています。働きながら保育士資格を取得し、実習では3歳児クラスに入り、一斉に説明が届かない場面があることを実際に経験しました。貴園では、まずは子ども一人ひとりの様子を覚えることから始め、伝え方を場面ごとに変えられる保育士になりたいと考えております。

未経験の自己PRは、前職の実績を並べるだけでは伝わりません。前職の経験が保育のどの場面で使えるのかを、自分の言葉で1つつなげてください

保育士から異業種(事務職)へ移る

保育士から異業種へ移る場合は、保育の言葉を応募先に通じる言葉に置き換えます。主活動、環境構成、設定保育といった言葉は、園の外では通じません。

記載例例文⑲|保育士から異業種(事務職)へ

期限のある書類を、複数の相手と調整しながら仕上げてきました。保育士として6年間、年間の計画書、月ごとの報告書、園児30名分の記録の作成と管理を担当し、提出期限から逆算した一覧表を作って進めていました。行事では、外部の会場担当者や消防署への連絡、保護者へ配る案内文の作成までを担当し、当日までの工程を8週間に分けて管理しています。書類の管理システムが導入された際は、操作に不慣れな職員向けの手順書を作成し、紙の記録を移し替える作業を担当しました。期限を守って正確に書類を仕上げる進め方は、貴社の事務職でも活かせると考えております。

異業種へ移るときは、園児数や行事の規模を「何人を相手にした業務か」「何週間の工程か」に置き換えると伝わります。保育の専門性そのものではなく、その裏にある仕事の進め方を書いてください。

新卒で就職する

新卒の場合、実務経験がないのは応募先も分かっています。実習と学生時代の経験から、続けたことを書きます。

記載例例文⑳|新卒

一度決めたことを、結果が出るまで続けることを学生時代に身につけました。保育実習では4歳児クラスに入り、初日に自分の話が全体に届かなかったことから、翌日以降は話す前に前に集まってもらう時間を必ず取るようにし、10日間続けました。最終日の責任実習では、集まる合図を手遊びに変えて、切り替えにかかる時間を短くしています。ピアノは在学中に朝と帰りの会で使う曲を30曲用意し、移調して弾けるよう練習してきました。貴園では、日々の保育の中で気づいたことをその日のうちに直しながら、担任として任せていただける保育士を目指したいと考えております。

新卒の自己PRは、実習で失敗したことと、それをどう直したかを書くと強くなります。うまくいったことだけを並べると、実習の記録を読んでいるようにしか見えません。

転職回数が多い

転職が多いと、「採用してもすぐ辞めるのではないか」と見られる前提で書きます。経験の幅が広がったことを示したうえで、次は長く勤めたい意思を書き添えてください。

記載例例文㉑|転職回数が多い

規模も方針も違う園を経験したことで、どの環境でも早く動けるようになりました。認可保育園、小規模保育園、企業主導型保育園の3か所で通算8年間勤務し、0歳児から5歳児まで担任を経験しています。定員19名の園では一人が複数の役割を持つ進め方を、定員120名の園では担任間で役割を分ける進め方を経験し、園に入ってから2週間ほどでその園のやり方に合わせられるようになりました。異動や退職で職員が入れ替わる時期の引き継ぎも担当しています。貴園では、これまでに経験した進め方を持ち込むのではなく、貴園のやり方を覚えたうえで長く勤めたいと考えております。

在職期間の短い職歴を省略しないでください。社会保険の記録から分かるため、経歴の詐称として扱われるおそれがあります。

【年代別】20代・30代・40代・50代・60代の自己PRの書き分け

年齢が上がるほど、経験の量ではなく「この園で何をする人か」を具体的に書きます。経験年数を並べるだけの自己PRは、40代以降になるほど読み飛ばされます。

20代|学ぶ姿勢と、続けられること

20代は、できることの数より、これから伸びる余地と続ける力が見られます。

記載例例文㉒|20代

分からないことをその日のうちに確認する習慣を、入職してから続けてきました。〇〇保育園に3年間勤務し、2歳児と3歳児のクラスで副担任を務めています。月案の書き方が分からなかった1年目は、提出の3日前に主担任へ下書きを見てもらう形を自分から続け、2年目からは期限内に一人で仕上げられるようになりました。キャリアアップ研修の乳児保育分野を受講し、担当する年齢の発達の見通しを持てるようにしています。貴園では、まず担当するクラスの一日の流れを覚え、3年目までに主担任を任せていただけるよう経験を積みたいと考えております。

20代は、入職時にできなかったことができるようになった過程を書くと、伸びる人だと伝わります

30代|クラス運営と、若手のフォロー

30代は、自分のクラスを回せることに加えて、まわりの職員を支えられるかが見られます。

記載例例文㉓|30代

自分のクラスを進めながら、経験の浅い職員が動きやすい形をつくることを意識してきました。〇〇保育園に9年間勤務し、5歳児クラス30名の主担任を4年間務めています。新任の職員と組んだ年度は、一日の流れを時間ごとに書き出した表を用意し、判断に迷いやすい場面をあらかじめ決めておく形にしました。就学に向けた書類の作成と、小学校との連絡も担当しています。貴園でも、クラスを任せていただきながら、経験の浅い職員が相談しやすい担任でありたいと考えております。

30代は「自分ができる」だけでなく「まわりができるようにした」を1つ入れると、任せられる人として読まれます

40代|まとめる力と、現場に立ち続けていること

40代は、リーダーとしての資質と、現場に立ち続けられる姿勢の両方が見られます。

記載例例文㉔|40代

現場に立ちながら、園全体の流れを整えることを担当してきました。〇〇保育園に14年間勤務し、3歳児から5歳児までの主担任を務めたのち、5年間は行事全体の取りまとめを担当しています。運動会と発表会では、各クラスの担任から出た希望を先に集め、当日の進行と職員の配置を決める形に変えました。担任として保育に入る時間は減らさず、日常の保育の中で行事の準備が進むよう年間の計画に組み込んでいます。貴園でも、担任として現場に入りながら、園全体で動く場面の調整を担いたいと考えております。

40代は、役職経験を書くと同時に、現場に入る意思を書いてください。管理だけをやりたい人と読まれると、担任が必要な園では採用しにくくなります。

50代|引き継ぐ側の視点

50代は、これまでの経験をどう次の世代に渡せるかが読まれます。

記載例例文㉕|50代

自分がやってきたことを、次の職員が使える形にして残すことを続けてきました。保育士として通算26年間勤務し、認可保育園と認定こども園で0歳児から5歳児までの担任を経験しました。直近の園では主任として6年間、年間の書類の様式と、行事の準備の手順書を整え、担当が替わっても同じ質で進められる形にしています。若い職員から相談を受ける場面では、答えを出す前に何に迷っているかを聞くようにしてきました。貴園でも、担任として保育に入りながら、これまでの経験を職員間で共有できる形にしていきたいと考えております。

50代の自己PRでいちばん効くのは、新しいやり方を受け入れる姿勢です。経験の長さだけを書くと、園のやり方に合わせてもらえるか不安に思われます。

60代|働き方の希望は別の欄に書く

60代の応募では、どのくらい働けるかが最大の関心事になります。ただし勤務条件は自己PRではなく本人希望記入欄に書きます。

記載例例文㉖|60代

長く現場に立ってきた分、子どもの体調の変化に早く気づけるようになりました。保育士として通算34年間、認可保育園を中心に0歳児から5歳児までの担任を経験し、直近の10年間は乳児クラスを担当しています。顔色と食事の量、遊びの選び方の3つを毎日見て記録に残す形を続けており、発熱の前に保護者へ連絡できた場面が何度もありました。担任の補助として入る場面でも、その日の配慮が必要な子を先に確認してから保育に入るようにしています。貴園でも、乳児クラスの補助として、体調の変化に早く気づける役割を担いたいと考えております。

勤務日数や時間の希望は、自己PRの中ではなく本人希望記入欄に書いてください。自己PRに条件を混ぜると、強みの話が最後まで読まれなくなります。

【雇用形態・役職別】パート・派遣・主任・園長の自己PR例文4本

雇用形態が変わっても、書く材料そのものは変わりません。変わるのは、採用する側が何を心配しているかへの答え方です。パートなら続けられるか、派遣なら園ごとのやり方に合わせられるか、役職者なら現場に入る気があるかが見られます。

パート・アルバイト

パートの応募で最も見られるのは、短期間で辞めないかどうかです。勤務できる時間帯と、続けられる理由をあわせて書きます。

記載例例文㉗|パート・アルバイト

決まった時間帯に確実に入れることを、パートとして働くうえでの自分の役割だと考えています。〇〇保育園でパート保育士として4年間、平日の午前中に1歳児クラスの補助として勤務し、その間の欠勤は年に1回あるかどうかでした。担任が書類を書く時間を確保できるよう、午前中の活動と食事の準備を任せていただいており、担任と交わす引き継ぎのメモも自分から続けています。子どもが小学生になり、勤務できる時間帯が広がりました。貴園でも、担任の手が足りない時間帯に入りながら、長く勤めていきたいと考えております。

パートの自己PRは、勤務してきた期間と欠勤の少なさを書くだけで「続けられる人」だと伝わります。希望する曜日や時間は本人希望記入欄に分けて書いてください。

派遣

派遣で複数の園に入った経験は、経歴が細切れに見えて損だと思われがちですが、対応できる幅として書けば強みになります。

記載例例文㉘|派遣保育士

園ごとにやり方が違う前提で動けることが、派遣で働いてきた4年間で身についたことです。認可保育園を中心に7か所の園に入り、0歳児から5歳児まですべての年齢のクラスを担当しました。入る前に、その園の一日の流れと記録の様式を確認し、初日から同じ手順で動けるように準備しています。行事の直前に入った園では、当日の持ち場だけを引き受けて担任が保育に集中できる形をとりました。貴園では、決まった園で腰を据えて働きたいと考えており、これまでに見てきた進め方の中で役立つものがあれば提案していきたいと考えております。

派遣から正職員を目指す場合は、なぜ今回は腰を据えたいのかを一文入れてください。それがないと、また短期間で動くのではないかと読まれます。

主任・リーダー

役職の経験があるときは、まとめた人数と、まとめるために何をしたかを書きます。

記載例例文㉙|主任・リーダー

意見が分かれたときに、決め方そのものを先に決めることを大切にしてきました。〇〇保育園で主任を5年間務め、職員22名の勤務シフトの作成と、クラス担任の配置を担当しました。行事の進め方でベテランと若手の意見が分かれた際は、その場で結論を出さず、判断の基準を先に3つ決めてから話し合う形に変えています。年に2回、全職員と個別に話す時間を設け、担任の希望と園の必要をすり合わせてから配置を決めるようにしました。貴園でも、職員が納得して動ける決め方をつくりながら、現場にも入っていきたいと考えております。

役職の経験を書くときは、必ず現場に入る意思を添えてください。管理業務だけを希望していると読まれると、担任を探している園では採用しにくくなります。

園長・施設長

園長として応募する場合は、運営と保育の両方に触れます。数字は職員数と定員で出せます。

記載例例文㉚|園長・施設長

保育の質と職員が働き続けられる環境を、同時に考えることを続けてきました。定員90名の認可保育園で園長を6年間務め、職員28名の採用と育成、行政への提出書類、保護者対応を担当しました。就任時に離職が続いていたため、時間外の作業が多かった書類の様式を見直し、記録を保育時間内に書き終えられる形に変えています。保護者会では年間の保育計画を毎年説明し、行事の見直しについても事前に意見を聞く場を設けました。貴園でも、職員が保育に使える時間を確保することから運営に関わっていきたいと考えております。

園長の自己PRでは、離職や書類の負担といった運営上の課題に、実際に何をしたかを書いてください。理念を語るだけでは、前の園で何ができた人なのかが伝わりません。

【応募先別】施設の種類で前に出す経験は変わる

応募先が保育園以外なら、保育園での経験のどこを前に出すかを変えます。書く材料は同じでも、並べる順番を変えるだけで読まれ方が変わります。

応募先タイプ別の早見表

まず、応募先ごとに前に出すとよい経験と、書かないほうがよいことをまとめました。

応募先前に出す経験書かないほうがよいこと
認可保育園(私立)担任した年齢と園児数、年間行事の企画運営、指導計画の作成、保護者対応園の理念に触れずに一般論だけで終わること
公立保育園・公務員保育士なぜ公立か、なぜその自治体か、幅広い年齢への対応福利厚生や安定を志望の理由として書くこと
認可外保育園園独自の方針への理解、少人数への対応、特技の活用「資格がなくても働ける」ことに触れること
認定こども園0〜5歳の幅広い年齢への対応、幼稚園教諭免許の保有保育所と幼稚園のどちらか一方の経験だけを書くこと
小規模保育園0〜2歳児の乳児保育、一人ひとりとじっくり関わった経験大規模な行事の企画運営だけを前に出すこと
企業主導型保育園早朝・延長・土曜の勤務、異年齢での保育、働く保護者への理解認可との違いに触れずに書くこと
院内保育・事業所内保育変則的なシフトへの対応、少人数と異年齢、感染症対策行事の企画力ばかりを強調すること
学童保育(放課後児童クラブ)小学生への関わり、宿題や遊びの見守り、長期休みの対応未就学児の保育の話だけで終わること
児童発達支援・放課後等デイサービス配慮が必要な子への関わり、個別の支援、保護者への支援「学ばせていただきます」で終わる受け身の姿勢
訪問保育・ベビーシッター1対1での保育、家庭ごとに変わる環境への対応、衛生と安全の管理集団をまとめる指導力を主にすること

表の右列は、応募先を取り違えているとひと目で分かってしまう書き方です。左列の経験が自分にない場合は、いちばん近いものを探してください。応募条件を完全に満たしていなくても、求められている経験に似たものがあればアピールになります。

以降は、保育園からの応募が増えている4つの施設について例文を載せます。

小規模保育園

小規模保育園は定員6〜19人で、0〜2歳児が中心です。大きな園から移る場合は、規模の違いをどう受け止めているかが読まれます。

記載例例文㉛|小規模保育園

0歳児から2歳児の生活のリズムを、一人ひとり別のものとして見ることを続けてきました。定員120名の認可保育園で7年間勤務し、うち5年間は0〜2歳児クラスの担任を務めました。同じ1歳児でも食事と午睡の必要な時間が違うため、個別の記録を毎日つけ、家庭での様子と合わせて翌週の予定を組み立てています。行事の準備に時間を取られる中でも、乳児クラスは一人ひとりに向き合う時間が保育そのものだと考えてきました。貴園では、少人数だからこそできる関わりの積み重ねに時間を使いたいと考えております。

小規模保育園への応募では、なぜ大きな園ではないのかに一文で答えてください。行事の規模だけを強みに書くと、この園ではその強みが使えないと読まれます。

院内保育・事業所内保育

院内保育では、変則的な勤務に対応できるかと、少人数・異年齢での保育経験が見られます。敬称は「貴園」ではなく「貴院」を使います

記載例例文㉜|院内保育・事業所内保育

年齢の違う子どもが同じ部屋で過ごす時間の組み立てを担当してきました。認可保育園に5年間勤務したのち、定員20名の企業内保育所で3年間、0歳児から5歳児までの異年齢保育を担当しています。年上の子が待つ時間が長くなりすぎないよう、活動を2つ用意して選べる形にし、食事と午睡は年齢ごとに時間をずらして進めました。早朝と延長の時間帯にも入り、保護者の勤務時間に合わせた受け入れを担当しています。貴院でも、勤務が不規則な保護者を支える立場で、異年齢での保育に取り組みたいと考えております。

院内保育の自己PRでは、夜間や宿直に対応できるかを求人票で確かめてから書いてください。対応できない条件を書くと、あとで食い違いが起きます。

学童保育(放課後児童クラブ)

学童保育は、保護者が昼間家庭にいない小学生を対象とする事業です。未就学児の保育とは対象年齢が違うので、小学生に関わった経験があれば前に出します。

記載例例文㉝|学童保育(放課後児童クラブ)

自分で決めて動く時間を、そばで見守ることを大切にしてきました。認可保育園で6年間勤務し、5歳児クラスの担任を3年間務めるなかで、就学に向けて自分で支度をする時間を毎日設け、手を出す前に待つことを職員間で決めていました。卒園児が遊びに来る機会に、小学校に入ってからの生活の変化を聞き、就学前の関わりが続いていることを実感しています。行事では、子どもたちが役割を決めるところから任せる形で進めてきました。貴施設でも、宿題や遊びの時間に、必要なときだけ手を貸す関わりをしていきたいと考えております。

学童保育に応募するときは、保育園での経験をそのまま書かず、小学生に置き換えて書いてください。年齢が上がるほど、手を出さずに待つ関わりが中心になります。

児童発達支援・放課後等デイサービス

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、集団の中で配慮が必要な子に関わった経験が読まれます。

記載例例文㉞|児童発達支援・放課後等デイサービス

集団の中で過ごしにくさのある子に、その子に合わせた手立てを用意することを続けてきました。認可保育園で8年間勤務し、加配の対象となる園児を担当した年度が3年あります。一斉の説明が届きにくい子には、絵と写真で手順を示したカードを用意し、次に何をするかが分かる形にしました。保護者とは月に一度、家庭での様子と園での様子を突き合わせる時間を設けています。集団の中でできる工夫には限りがあると感じ、一人ひとりの支援に時間をかけられる場で働きたいと考えるようになりました。貴事業所でも、その子に合った手立てを保護者と一緒に考えていきたいと考えております。

この分野では「勉強させていただきます」で終わらないでください。学ぶ姿勢は前提として、保育園で実際にやってきた工夫を書くほうが、何ができる人なのかが伝わります。

応募先の呼び方は「貴園」でいい?

自己PRの締めで使う応募先の呼び方は、応募先の種類で変わります。

応募先書類での呼び方
保育園・幼稚園貴園
社会福祉法人・独立行政法人貴法人
病院・医院(院内保育を含む)貴院
会社(株式会社が運営する事業所)貴社
学校貴校(大学・短大は貴学でも可)

保育園と幼稚園は「貴園」、社会福祉法人は「貴法人」、株式会社が運営する園は「貴社」を使います。

問題になるのは、園ではない応募先です。学童保育や児童発達支援の事業所に「貴園」と書くと、その1語で応募先を分かっていないことが伝わります。学童保育なら「貴施設」、児童発達支援や放課後等デイサービスなら「貴事業所」、訪問保育やベビーシッターの会社なら「貴社」が読み手に自然です。

判断に迷うときは「(法人名または事業所名)様」でもかまいません。「御社」は話し言葉なので、応募書類には使いません(面接では「御社」や「(法人名)様」を使います)。履歴書の他の欄の書き方は保育士・幼稚園教諭の履歴書の書き方にまとめています。

履歴書・職務経歴書・面接で自己PRの書き方はどう変わる?

履歴書の自己PRは志望の動機と同じ欄に同居するので短く、職務経歴書は独立した項目なので300〜400字、面接は30秒〜1分で話せる長さにします。中身は同じでも、入る量が違います。

履歴書|志望の動機と同じ欄に同居している

履歴書に自己PRだけの欄がある様式は、実はあまりありません。

厚生労働省のA4版の履歴書様式例では、「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」が1つの欄にまとまっており、幅約17cm・高さ約6cmの罫線のない箱になっています(2026年8月時点、様式例PDFの実測)。行数の指定もありません。つまり、この欄には志望の動機とアピールポイントの両方を入れることになります。

配分の目安は、欄の3分の2を志望の動機に、残りを自己PRに使う形です。欄の寸法から計算すると、パソコンで10.5ポイントで組んだ場合の欄全体が400〜500字ほどなので、自己PRに使えるのは150〜200字程度になります。あくまで欄の寸法から計算した目安なので、市販の様式を使うときは手元の欄に合わせてください。

なお、趣味やスポーツ、ボランティア活動といった個人的な活動より、志望の動機とアピールポイント、それに応募先で使える技能を優先します。ピアノや製作などの特技は、この欄の最後に2〜3行添える形が収まりやすくなります。

職務経歴書|独立した項目にして300〜400字

職務経歴書では、自己PRを独立した項目として立てられます。様式が自由なので、行数の制約もありません。

職務経歴書の自己PRは300〜400字が目安で、職務経歴の欄が名詞止めなのに対し、自己PRは「〜しました。」というていねいな文で書きます。1つの書類の中で文末がそろっていないと読みにくくなるので、職務経歴は「〜を担当」「〜に従事」、自己PRと志望動機はていねいな文、と決めてください。

職務経歴書に自己PRを書くかどうかで迷う人もいますが、職務経歴書で必須なのは標題・氏名・日付・職務経歴の4つで、自己PRは任意の項目です。それでも書くことをすすめるのは、職務経歴の欄は担当した業務を並べる場所なので、強みを言葉にできるのは自己PRの欄しかないからです

面接|30秒〜1分で話せる長さに削る

面接で「自己PRをお願いします」と言われたときは、30秒から1分で話せる長さにします。書類に書いた400字をそのまま暗唱すると、聞いている側は長く感じます。

前に触れたとおり、志望の動機とアピールポイントは面接で最もよく質問される項目です。提出した書類はコピーを取っておき、面接の前に読み返してください。書いた内容と話す内容が食い違うと、そこから先の質問が厳しくなります。

面接での話し方や服装、よく聞かれる質問については、別の記事であらためて解説します。

同じ強みを3つの長さに書き分けた例

同じ協調性を題材に、履歴書版・職務経歴書版・面接版を並べます。削るのは場面の描写ではなく、前置きと修飾です

記載例例文㉟|履歴書版(約170字)

複数の担任で進める保育で、決め事を形に残すことを大切にしてきました。4歳児クラス28名を3名で担任した年度に、早番と遅番で保護者に伝わる情報に差が出ていたため、引き継ぎに書く項目を3つに絞る手順を提案し、年度末まで続けています。貴園でも、担任同士が同じ情報を持って一日を進められる形をつくっていきたいと考えております。

記載例例文㊱|職務経歴書版(約380字)

複数の担任で保育を進めるときに、決め事を口頭で終わらせず形に残すことを大切にしてきました。4歳児クラス28名を3名の担任で受け持った年度に、早番と遅番で子どもの様子の伝わり方に差が出ていることに気づき、引き継ぎの内容を連絡帳と口頭の両方でそろえる手順を提案しました。項目を増やすと続かないため、記入するのは「体調」「食事」「その日にあったこと」の3つに絞っています。手順を決めた際にベテランの職員と経験の浅い職員で意見が分かれましたが、双方の考えを聞いたうえで、まず1か月試してから見直す形にまとめました。年度末まで続けた結果、遅番の職員が保護者に伝えられる情報が増え、この手順は翌年度も引き継がれています。貴園でも、担任同士が同じ情報を持って一日を進められるよう、決め事を形に残すところから関わっていきたいと考えております。

記載例例文㊲|面接版(話し言葉・約300字)

わたしの強みは、担任同士で情報をそろえてから一日を始められることです。前の園で4歳児28名を3人の担任で受け持ったとき、早番と遅番で保護者にお伝えする内容に差が出ていました。そこで、引き継ぎに書く項目を「体調」「食事」「その日にあったこと」の3つに絞る手順を提案しました。最初は職員によって意見が分かれたのですが、まず1か月試してから見直すことにして、年度末まで続けられました。結果として、遅番の職員も保護者にお伝えできることが増え、翌年度も同じ形が使われています。貴園でも、担任同士が同じ情報を持って動ける形をつくっていきたいと考えています。

3つを見比べると、消えているのは「意見が分かれた」経緯の詳しさと、手順を決めた理由です。場面と数字は3つとも残っています。短くするときは、いつ・どこで・何をしたかを最後まで残してください。

保育士の自己PRでやってはいけないこと

インターネットの例文の写し、園児が特定できる書き方、強みの並べすぎ、前の園の批判の4つは、そのまま落選の理由になります。どれも書いている本人には見えにくいので、書き上げたあとに順番に確かめてください。

インターネットの例文をそのまま使う

採用担当者は、応募者と同じ記事を読んでいます。

保育士の自己PRの例文を載せている記事は検索すればいくつも出てくるので、上位の記事の例文はすでに何度も目にしているはずです。園名だけを差し替えた文章は、「うちでなくてもいい」と読まれます。同じ文章を複数の園に使い回すのも避けてください。

この記事の例文も同じです。構成の順番と、どこに数字を入れるかの参考として使い、場面と数字は自分のものに入れ替えてください。

園児や保護者が特定できる書き方をする

自己PRには具体的なエピソードを書きます。ただし保育士のエピソードには、必ず園児と保護者が登場します。

保育士には、仕事で知った秘密を漏らしてはならない義務があり、保育士でなくなったあとも続きます(児童福祉法第18条の22)。退職後も対象になるということは、転職活動中も対象だということです。応募書類は園の外に出る書類なので、書く内容には線を引く必要があります。

書いてよいものと、書いてはいけないものを分けると次のようになります。

書いてよい書いてはいけない
担当したクラスの年齢、園児数、職員数園児の名前、イニシャル、「〇〇ちゃん」といった呼び方
担任か副担任か、勤務した年数個人が特定できるけがや事故の詳しい経過
行事の規模、参加した家庭の数家庭の事情(離婚、経済状況、健康状態)
作成した書類の種類、使っていたシステム同僚や上司の個人情報、人物評
配慮が必要な園児への対応を、属性として書くこと診断名と個人を結びつけて書くこと

書き換え方は、個人ではなく属性で書くことです。

記載例改善前

年中クラスの〇〇ちゃんは、家庭の事情で生活リズムが安定せず、朝の登園時に泣くことが続いていました。母親と何度も面談を重ね、送迎の時間を調整していただいたことで登園がスムーズになりました。

記載例改善後

4歳児クラスで、朝の登園時に泣くことが続く園児を担当した年度がありました。生活のリズムを家庭と共有する必要があったため、送迎の時間帯について保護者と定期的に話す場を設け、受け入れの流れを組み直しました。

改善後の文章でも、何をしたかは同じだけ伝わります。消したのは園児の呼び方と家庭の事情だけで、保育の中身は1文字も減っていません

強みを3つも4つも並べる

自己PRは長くても400字です。強みを4つ入れると1つあたり100字になり、場面も結果も入りません。

強みが多いことは自己PRでは不利に働きます。何ができる人なのかがぼやけるからです。書き出しの段階で複数の強みが出てくるのは正しく、そこから応募先に合うものを1つ選ぶのが自己PRの作業です。残りは面接で聞かれたときに答えれば足ります。

前の園の批判や、待遇の話になっている

退職の理由が人間関係にある人は多く、東京都の調査でも保育士を辞めた理由の1位は「職場の人間関係」で31.5%でした(出典:東京都「令和4年度 東京都保育士実態調査」、n=2,241)。

理由として自然であっても、自己PRの欄に書くと「同じことをうちでも言うのではないか」と受け取られます。「前の園では書類が多すぎて」「残業が常態化していて」といった書き方も同じです。前の園で何が起きたかではなく、次の園で何をしたいかに置き換えてください。

給料や休日の希望も同じで、自己PRの中には入れません。勤務条件の希望は本人希望記入欄に分けて書きます。

応募先と合っていない強みを出している

強みそのものは立派でも、応募先で使えないなら評価されません。

  • 0〜2歳児だけの小規模保育園に、大規模な行事の企画運営を主に書く
  • 自然の中での活動を中心にしている園に、読み書きや英語の指導を主に書く
  • 院内保育に、行事の企画力だけを書く
  • ベビーシッターの応募に、集団をまとめる指導力を主に書く

応募先で使えない強みを前に出すと、園を調べずに書いていることが強みの選び方から伝わります。求人票と園のホームページを読んでから、どの強みを出すかを決めてください。

よく見かける言い回しをそのまま使う

保育士の自己PRには、繰り返し使われている言い回しがあります。

「子ども一人ひとりに寄り添い」「貴園の理念に深く共感し」「主体性を尊重し」「個性を伸ばす保育」「日々精進してまいります」「精一杯努めてまいります」「〜する所存でございます」。これらの言葉は、書いてあっても何をする人なのかが分からないため、読み飛ばされます

言い換えの方向は決まっていて、誰が・どの場面で・何をしたかに置き換えるだけです。「子ども一人ひとりに寄り添い」は「同じ1歳児でも食事と午睡の時間が違うので、個別の記録を毎日つけていました」に、「日々精進してまいります」は「まずは担当するクラスの一日の流れを覚えたいと考えております」になります。

書き上げた自己PRの確認と添削

自己PRは提出して終わりではなく、面接で同じ内容を自分の言葉で話すところまでが1セットです。書き上げたらそのまま出さず、次の3つを確かめてください。

提出前のチェックリスト

書き上げたら、次の項目を順に確かめてください。

  • 強みが1つ(多くても2つ)に絞られている
  • その強みが表れた場面が、いつ・どのクラスで・何をしたかで書かれている
  • 園児の名前や、家庭の事情が分かる書き方をしていない
  • 数字(年齢、園児数、職員数、年数、行事の規模)がどこかに入っている
  • 応募先でどう活かすかで締めている
  • 応募先の呼び方が、園・法人・院・事業所・施設・社で正しい
  • 志望動機と同じ内容になっていない
  • 前の園の批判や、給料・休日の希望が入っていない
  • 覚えていない出来事や、確かめていない結果を書いていない
  • 文末が「〜です」「〜ます」でそろっている

最も落としやすいのは4つ目です。数字が1つも入っていない自己PRは、読み終えても規模が分からないので印象に残りません

声に出して読む

書き上げた文章を声に出して読むと、息継ぎができない長い一文がすぐ見つかります。

保育士の自己PRは1文が長くなりがちで、「〜し、〜し、〜したことで、〜になりました」という形になりやすい傾向があります。読んでいて息が続かない一文は、2つに分けてください。面接では同じ内容を話すことになるので、声に出して読めない文章は面接でも話せません。

添削してもらう先

書き上げた文章は、第三者に読んでもらうと粗が見つかります。

ハローワークの窓口では応募書類の記載方法について相談できるほか、保育士向けの転職エージェントでも応募書類の添削を受けられます。自分で読み返すときは内容が頭に入っているので、園名を伏せても意味が通ってしまうことに気づけません。他人の目を一度入れてください。

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まとめ

保育士の自己PRは、強みを1つに絞り、それが表れた場面と結果を挙げて、応募先でどう活かすかで締めます。書く材料は、性格や行動の特徴・仕事への姿勢や意欲・将来の目標の3つです。

長所が見つからないときは、思い出そうとするのをやめて、仕事の中で得たものを書き出してから言葉のリストに当てはめてください。順番を変えるだけで見つかります。

例文はそのまま使うためではなく、どの要素をどの順で並べるかの型として使ってください。思い出せない場面を作って埋めた400字より、担当した事実だけで書いた200字のほうが、面接まで通用します。園名と、自分が実際にやってきたことに差し替えたところから、他の応募者と違う自己PRになります。

この記事の執筆者

執筆者保育士転職のホンネ編集部

株式会社DeLT

保育士転職のホンネの企画・執筆を担当する編集部です。転職サービスの実態を調査し、公的資料や各社の一次情報にあたったうえで、保育士の方が自分に合うサービスを選べるよう情報を発信しています。

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